荷物は最小限にしたいけど…“減らせない釣り道具”と格闘する朝
──釣行準備は、いつも「いる・いらない」の自問自答から始まる
【共感】「今日は荷物少なめで行こう」そう決めたはずなのに…
釣り前夜。
道具を並べながら「よし、明日は荷物を軽くしよう」と思っていました。
カヤック釣行は特に、積載量=機動力に直結するからです。
・できれば荷物は少なくしたい
・クーラーボックスも小さめで行きたい
・ロッドも1〜2本に絞ろう
・ルアーも本当に使うものだけにする
…そう決めていたはずなのに、朝になると結局、
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ロッド3本(予備含む)
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ルアーケースは2箱
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クーラーは中サイズ
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魚探&バッテリー
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プライヤー、グリップ、タモ
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救急キットや日焼け止め、水分補給のペットボトル数本
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さらに「一応持っておくか」と入れた予備の仕掛け
気づけば、前回より荷物が増えているという矛盾。
しかも積み込み中、「これは要らなかったな」と感じた道具があっても、
結局また次の釣行にも持っていく、という無限ループ。
【課題】減らしたいのに減らせない、「いるかもしれない」の魔力
釣り道具って、“あると安心”がどんどん増えていくんですよね。
「以前、ラインが切れて困ったから予備リール持っておこう」
「このカラーだけで釣れたことがあるから入れておこう」
「今日は雨が降るかも…レインウェアも積んでおこう」
「予備バッテリー、念のために」
気づくと、それぞれにちゃんと“理由”がある。
つまり、全部「いるかもしれない」正当性を持って存在している荷物なのです。
この“可能性”がやっかいで、減らすことができない。
でも積みすぎるとカヤックが不安定になったり、
必要な道具がすぐ取り出せなかったり、現場での動きに支障をきたす。
「どこまで削ればいいのか?」
この悩みは、何年釣りを続けていても終わりが見えません。
【気づき】減らすことよりも、“迷わないこと”の方が大事だった
ある日、思い切ってルアーケースを1個だけにして釣行したことがありました。
「今日はタイラバだけに絞ろう」と決めて、他の道具は家に置いて行ったのです。
最初は不安でした。
「ジグも持ってきたほうがよかったかな?」
「風向き変わったら厳しいな」
「ライトゲーム用のセットもあったほうが…」
でも、いざ釣りを始めてみると、不思議と集中できたんです。
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どのルアーを使おうか迷わない
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ロッドは1本だから扱いも楽
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スペースに余裕があるから、魚のランディングもスムーズ
その日、特別大きな釣果はなかったのですが、“道具に迷わない”ということが、釣りの充実感を大きく高めてくれることに気づきました。
【解決】「必須道具」と「スタイル別セット」に分けて整理する
その後からは、「持っていく理由」を明確に言える道具だけを積むようになりました。
さらに、自分の釣行スタイルを大きく3つに分けて、それぞれの“装備パターン”を作ることにしました。
【パターンA】ライトゲームメイン(アジ・メバル・チヌ狙い)
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ロッド:UL1本
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ルアー:ワーム・小型プラグ中心
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クーラー:小型
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装備:最低限の安全装備、魚探なし
【パターンB】タイラバ・ジギング狙い(中〜深場)
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ロッド:タイラバ1本+ジギング1本
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魚探・バッテリーあり
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予備仕掛けは厳選して3セット
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クーラー中サイズ
【パターンC】「朝マズメ1時間勝負」時短釣行用
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ロッド:1本
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ルアーケース1個
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必要最低限の装備のみ
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飲料も500ml1本でOK
この3つを決めたことで、前夜の「何を持っていくか問題」が劇的にラクになりました。
【実践】荷物が少ないと、当日の自分にも“余裕”が生まれる
パドルを漕ぎながら感じる艇の軽さ。
足元にゆとりがあることで、道具の扱いやすさが変わります。
キャストもスムーズに、ランディングも焦らずできて、
トラブルが起きても「なんとかなる」という気持ちで対応できます。
何より、朝の出発前に「もうちょっと入れておくか…」と迷わなくなったことが、自分にとっては一番の変化でした。
以前はその時間に15分以上かかっていたのが、
今では準備完了までが圧倒的に早く、出艇前にゆとりを持てるようになりました。
【提案】“減らせない”なら“パターン化”してみては?
釣り人にとって、道具を削るのは「引き算の苦しみ」でもあります。
ただ、減らすことが目的ではなく、現場で快適に動ける状態に整えることが本当のゴールです。
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あれも必要かも
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これがないと不安
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念のために…
そう思って積み込んだ荷物のせいで、本来やりたかった釣りに集中できなければ、本末転倒です。
道具を選ぶとき、「それは今回のスタイルに必要か?」と問いかけてみてください。
そして、それぞれの釣行パターンに合った“自分だけの装備セット”を作っておくことで、朝のバタバタや迷いが驚くほど減っていきます。
減らせない荷物と格闘する朝を卒業して、
“今の釣りにちょうどいい道具だけ”とともに、海に出られるようになると、
またひとつ釣りが快適になるのを実感できるはずです。