魚探の“ノイズ”を読み解く!カヤックならではの見え方と落とし穴
──「写ってるのに釣れない」の正体は、まさかの●●だった
【共感】「魚が映ってる」って言うけど、本当に魚なの?
カヤックフィッシングを始めてすぐ、魚探を導入しました。
なんとなく「必要な装備」と思っていたし、周囲のベテランたちも当然のように装着していたので。
でも、最初の数回で私はすっかり混乱しました。
画面に“反応”はバンバン出る。魚っぽいマークも出る。
なのに、まったく釣れない。
「え、これ魚じゃなかったの?」
「ベイトが映ってるんじゃないの?」
「あれ、もしかして…ノイズ?」
周囲は「その反応は怪しいね」とサラリと言うけれど、
その“怪しさ”の見分け方が、最初はまったくわかりませんでした。
【課題】魚だと思ってたのに釣れない現実
魚探は、**“水中の世界を可視化してくれる道具”**として非常に便利です。
特にカヤックは目線が低く、水中の地形やベイトの位置がわかりにくいので、魚探の情報が命綱になる場面も少なくありません。
ただ、ここで落とし穴があります。
「写ってる=魚」ではない
とくにカヤック特有の使用環境が原因で、
魚ではない“反応”が魚に見えてしまうことが多々あるのです。
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底からふわっと浮いた何か → 魚?実は海藻
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中層にポツポツと点在 → ベイト?実は水中ゴミ
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ベタ底に溜まる群れ → 根魚?実は地形の凸凹やノイズ
これらに共通するのが、“ノイズ”と“実反応”の見分けがつかない問題。
しかもカヤックはドリフトするし、パドリングでも揺れる。
つまり、表示される魚探の情報が安定しにくいのです。
【気づき】“ノイズに振り回されてる”だけかもしれない
ある日、岸から50mほど出た浅場で、魚探に大きな反応が出ていました。
中層にベイト、底には魚マーク、なぜかずっと反応が消えない。
「これ、めちゃくちゃ熱いじゃん!」と興奮してルアーを何度も投げ込んだのに…
釣れたのはフグ1匹。
あとでわかったのは、そのエリアに海底ケーブルがあったこと。
つまり、ノイズが断続的に拾われて、魚のように表示されていたのです。
カヤック特有の揺れ、風による微妙な移動、微電流、ケーブルやゴミなど、
「これがノイズ」だと知らないと、延々と“釣れない魚”を追いかけ続けてしまう。
これは、まさに“カヤック魚探あるある”でした。
【解決】ノイズを読み解く3つのポイント
カヤックでも精度の高い“実反応”を読み解くために、
私は次の3つの視点で魚探を見るようにしています。
① 動かずに静止 → 魚かどうかは“動き”で見る
本物の魚は、少しずつでも位置が動きます。
それに対してノイズは、場所を変えず同じ場所に残り続けます。
とくにドリフト中にずっと同じ反応が出続ける場合は怪しいです。
→ 対策:魚探のスクロール速度を落とす、数十秒注視して変化を見る
② 魚探の感度を一段下げる
反応がありすぎるときは、感度の上げすぎが原因のことが多いです。
とくに浅場で反応が多すぎるときは、思い切って感度を5〜10%下げてみる。
余計な反応が消えて、必要な情報だけが見えることがあります。
③ 周囲と照らし合わせて考える
これはアナログですが、目視や他の情報とリンクさせるのが一番確実です。
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ベイトが見えているのに魚探に出ない → 表層すぎて未検知
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魚探に出ているのに水面に変化なし → ノイズや海藻かも
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魚探に出てるけどアタリがまったくない → 潮が止まってる、または地形反応の可能性
【実践】“魚探だけを信じない”というスタンス
私自身のスタイルとして、今は魚探を「補助」として見ています。
そのうえで、魚探の反応と現実の一致率を毎回確かめるようにしています。
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水深20mのフラットボトム → 魚探には“根”が映ってる→嘘
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魚探が沈黙 → でもナブラ発生 → 魚探のレンジ外だった
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魚マークびっしり → でも無風ドリフトで船体揺れ=ノイズ
このように、「本当に今の反応は釣りに繋がるか?」を常に問いかけています。
魚探の画面に出た反応に、一喜一憂しない。
でも、見逃さない。
【提案】“目”と“魚探”はセットで育てよう
魚探は、あくまで道具であり、正確に使ってこそ価値が出るものです。
特にカヤックという水面近くで移動する乗り物においては、
魚探が出す情報のすべてを「魚」と信じてしまうと、
いつまでも“釣れない沼”にハマってしまいます。
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ノイズも反応のうち
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画面と水面の一致を探す
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魚探の“癖”を知る
これらを少しずつ理解していくと、
魚探が「釣れない装備」から「釣れる武器」に変わっていきます。
「魚探を見て釣る」ではなく、「魚を見つけるために魚探を使う」
そんな感覚が身につけば、カヤックフィッシングの精度は大きく変わっていきます。