釣れた魚を鮮度抜群で持ち帰るための締め方・血抜きのやり方
〜神経締め・氷締め・クーラー選びまで、沖の現場で実践する“釣果の質”を変える処理術〜
「釣れた!」「やった!」
その瞬間は、間違いなく沖釣り最大の快感。
でも、その魚が**「食卓に並んだときに“ガッカリ”する」**という経験をしたことはありませんか?
✅ 血抜きが不十分で生臭い
✅ 氷が効いてなくて身がやわらかい
✅ 締め方が悪くて筋肉にダメージが残っていた
これは、私自身が最初の数年間ずっと悩んできたポイントでもあります。
「せっかく釣れた魚なら、一番いい状態で食べたい」
そう思って、何度も試行錯誤しながら学んだ**“鮮度を落とさない処理法”と“持ち帰りのコツ”**を、この記事にすべて詰め込みました。
✅ この記事でわかること
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カヤック釣りでも実践できる神経締め・血抜きの方法
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魚種・サイズ別に変えるべき締めの手順
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クーラーボックスのサイズ・氷の選び方とパッキング術
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実際にやっている「現場での鮮度維持ルーティン」
1. なぜ「締め方」が重要なのか?
釣った直後の処理で“旨さの9割”が決まる
魚は締め方ひとつで、
✅ 血が回って生臭くなるか
✅ 細胞が壊れて身がブヨブヨになるか
が大きく変わります。
つまり、「釣れた=美味い」ではなく、
「釣ってから何をするか」で美味さが決まるということ。
2. 現場での基本処理ルーティン(カヤック上で実践)
カヤック釣りではスペースも限られ、水や血が艇内に残ると滑る原因にもなります。
だからこそ、最小限の動作で最大限の処理をすることが大切です。
✅ STEP①:魚が掛かったら、まず暴れさせずにネット or グリップで取り込み
💬 シイラや青物系はバタつかせると身割れや血まみれになって処理しづらくなります。
→ カヤックでは特に、「魚の頭を自分の方に向ける」ことで暴れを抑えやすくなります。
✅ STEP②:即座に締め(脳天締め or 神経締め)
🧠 脳天締め(手早く脳を潰す)
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ナイフ or ピックで、目と目の間のやや上を狙って刺し込む
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頭がビクッと痙攣し、口が開けば成功
🧠 私は「青物・根魚系」はこの方法が一番安定しています。
とにかく暴れる前に“素早く締める”のがコツ。
🧠 神経締め(より高鮮度に保つ)
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脳を潰したあと、尾の付け根を斜めにカットして神経穴を露出
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ステンレスワイヤーを神経管に沿って挿入し、ビリビリッと通す
⚠️ 慣れるまで難しいですが、「血が全く回らない状態」で持ち帰ることができます。
特にタイやヒラメ、マゴチなど、寝かせて食べる魚には効果絶大。
✅ STEP③:血抜き(エラ・尾の付け根カット+海水バケツ)
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エラ膜を切って、尾の付け根もカット
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必ず“海水”で血抜きする(真水は浸透圧で身が壊れる)
🧠 カヤックには海水をくめる小型バケツ(フレキシブルバケツ)を積んでおき、血抜き用バケツを即設置できるようにしています。
💬 5分程度泳がせる or 揺らすだけでかなり綺麗に血が抜けます。
3. 氷締め・クーラーの選び方と持ち帰り術
✅ 氷締めは“順番”が命
血抜き後の魚は…
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真水で洗わず、軽く水を切ってから
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氷と海水を入れた“氷海水”に沈める(急冷が目的)
❄️ ポイント:氷:海水=1:1〜2:1程度で「0℃以下をキープ」
→ 身が締まりすぎず、しっとりした食感になる
✅ クーラーボックスは“容量・保冷力・フタの開閉性”で選ぶ
✔️ 理想のクーラーサイズ(目安)
魚種 | クーラー容量 |
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アジ・サバサイズ | 10〜15LでOK |
根魚(30〜40cm) | 20L以上 |
青物・マダイ(50〜70cm) | 30L〜45Lが必要(横倒し想定) |
🧠 実際に使っているのは、シマノのフィクセル30L(保冷力◎・コンパクト)
→ 45cmクラスまでなら曲げずに入ります。魚が曲がらない=血が回りにくく鮮度◎。
✅ 保冷剤 vs 氷:どっちがいい?
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氷(ロックアイス):即効性・水分あり(魚を直接冷やす)
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保冷剤(ハードタイプ):再利用可能・保冷時間は長いが“冷却スピードは劣る”
💬 私は、「底に保冷剤×魚は氷海水に漬ける」ハイブリッド方式。
→ 一日釣行でも帰宅まで冷たいまま維持可能。
4. 魚種別の処理ポイント(私の実体験ベース)
魚種 | 処理の注意点 |
---|---|
マダイ | 血抜き+神経締めで3日寝かせると旨み最大化 |
シイラ | とにかく“すぐ締めてすぐ冷やす” → 時間勝負 |
アカハタ | 身が柔らかく劣化しやすい → 締め後すぐ氷海水へ |
カンパチ | 脳締め→血抜き→神経締めの三段階で保存性◎ |
アジ・サバ | 鮮度命 → 活き締め後即冷却しないと脂が酸化する |
5. 「クーラーに入れるまで」が魚の価値を決める
釣った魚を最高の状態で持ち帰るには、
釣ったあとに「手間を惜しむか」「もうひと手間かけるか」の差しかありません。
特に夏場は**“5分の遅れ”で台無しになる魚もある**ことを、私は何度も経験してきました。
「釣れたらすぐ締めて、すぐ血抜きして、すぐ冷やす」
この3つを確実に守るだけで、釣果の価値が一気に上がることを実感できます。
✅ まとめ:釣果は“持ち帰ってから”が勝負
🎯 神経締めは慣れれば効果絶大(特に寝かせて食べる魚に)
🎯 血抜きは“真水NG”&“海水+動かす”でキレイに
🎯 クーラーは魚を「曲げずに冷やす」サイズ&保冷力が鍵
🎯 氷海水で“0℃以下”をキープして帰宅までしっかり鮮度管理
「この魚、自分で釣ったの? こんなに美味しいの!?」
家族や仲間にそう言ってもらえると、釣り人として本当に誇らしくなります。
ぜひこの記事の内容を活かして、「美味しく釣って、美味しく食べる」本当の意味での“釣果UP”を体感してください!
🎣 細かい工夫が、最高の一皿に変わる瞬間を、ぜひあなたの手で。