「エレキモーターが変えた沖釣りの景色」
〜パドリングから解放された先に見えた、新しい釣りの形〜
沖に出るのがしんどかったあの頃
カヤックやSUPでの釣りが好きで、気づけば週末のほとんどを海上で過ごすようになっていました。
でも、正直に言うと、沖に出るまでが一番しんどかったんです。
朝イチ。
気合を入れてポイントに向かってパドリング。
潮の流れ、風の向き、波の高さ。
すべてが味方してくれる日は稀で、
たどり着くだけで体力の8割を使い果たしていたこともありました。
「ここまでして釣りする意味あるのかな…」
そんな言葉が、ふと脳裏をよぎることも。
だけどそれでも続けたのは、
沖でしか味わえないドラマがあるから。
パドリングを乗り越えた先には、岸では出会えない魚との出会いが待っているからです。
でもそのために、何度も体力をすり減らし、
疲れ切ってからの帰路をなんとかこなす。
そんな「釣る前に消耗する釣り」が、ずっと自分の中にありました。
エレキを使った最初の釣行で、すべてが変わった
そんなときに、知人にすすめられてエレキモーターを導入。
正直、半信半疑でした。
「そんなに楽になるの?」「重くないの?」
疑問ばかりだったけど、実際に使ってみると…
今までの常識が、ガラッと変わったんです。
まず驚いたのが、
「ポイント到達までの時間と体力の節約っぷり」。
今までは20分以上漕いでいた場所に、
モーターの中速程度で数分。
波に逆らう必要もなく、風に翻弄されることもなく、
ただ進行方向にスイッチを入れるだけ。
そしてポイントに着いた時の体力。
いつもなら汗だく、腕パンパン。
それが、**ほぼゼロ消耗の状態で“釣りを始められる”**ことが、こんなにも快適なのかと衝撃を受けました。
釣りが“戦略的”になった
今までの沖釣りは、「帰りの体力を残しておかなきゃ」という前提のもとで動いていました。
つまり、**体力の配分を気にした“制限付きの釣り”**だったんです。
でもエレキを使うようになってからは、
その前提が消えました。
・少し遠くのナブラにすぐ向かえる
・潮目が変わったらすぐにポイント移動できる
・釣れなければ次のエリアにリスクなく移動
これまで「体力的にちょっと遠いな」と諦めていたエリアにも気軽に行けるようになり、
釣果の幅が確実に広がったのを実感しています。
特にありがたかったのが、
潮の流れに合わせた“流し直し”が自在にできること。
パドリングでは、1回の流しのあとに元のポジションへ戻るのが地味に大変で、
「まあ、いいか」で済ませていたところを、
今では何度でも“完璧なライン”をトレースできるようになりました。
風の日でも心折れない
沖釣りで一番の敵は「風」です。
風速3m/sを超えると、SUPやカヤックではとたんに厳しくなる。
行きは追い風、帰りは向かい風。
しかも潮も逆だったら、ほぼ地獄。
何度「これ帰れないかも」と不安になったことか。
でもエレキがあると、
向かい風に逆らうあの地獄感が、一気に安心感に変わります。
風に対して角度をつけながら進めば、
無理なく安定して移動できる。
釣りそのものに集中できる、
“風に負けない釣り”が可能になるというのは、想像以上の快適さでした。
「人力じゃないからダメ」と思っていた自分へ
最初は私もそうでした。
「モーターに頼るなんて、釣り人としてダサいんじゃないか?」って。
でも今は、全く違う考えになりました。
エレキを使うことで、
無理をせず、海の変化に柔軟に対応できて、釣果に直結する。
むしろ、道具をうまく使いこなすことで、
釣りの引き出しが増えていく感覚すらあります。
それに、移動に体力を使わない分、
集中力も続くし、安全意識も高まる。
「疲れて帰りに集中力が切れて事故」
そういうリスクを減らす意味でも、
**エレキは“釣りの質を上げるための安全装備”**とも言えると思っています。
今、もし悩んでいる人がいたら伝えたい
・沖に出るのが毎回億劫になっている
・帰りの体力が心配で釣りを制限している
・ポイントを移動したくてもできずに悶々としている
そんな人にこそ、一度体験してほしいです。
エレキモーターがもたらす変化は、
単なる「移動の手段」ではなく、
**“釣りの楽しみを最大化させる道具”**なんだと。
今では、朝の立ち上がりも軽く、
風が強めでも怯まず、
日没ギリギリまで釣りに集中できるようになりました。
そして何より、釣りを終えた帰り道。
心に余裕があるんです。
これは、パドリングに全力を注いでいた頃にはなかった感覚。
海から戻っても、まだ一日が終わっていないような、不思議な余裕。
おわりに
釣りの本質は、道具やスタイルではなく、
**「どれだけ楽しめるか、どれだけ安全に続けられるか」**だと思います。
エレキモーターは、釣りの“楽しさ”を引き出し、
“安全性”を高めてくれる、最強のサポーター。
それを一度でも体験したら、
「なんでもっと早く使わなかったんだろう」ときっと思うはずです。
釣りを「もっと遠くへ、もっと自由に、もっと安全に」──
そんな思いが少しでもある方には、
エレキモーターの導入は、一つの分岐点になるはずです。