Bixpy Jetが“なかったら戻れなかったかもしれない”
〜沖釣りの命綱になった、たった2kgの推進力〜
■ 沖釣りは、非日常であると同時に、常に“リスク”と隣り合わせだった
沖釣りの魅力は、何と言っても「岸からは届かない魚が狙えること」。
マダイも、青物も、深場の根魚も――海の奥深くにしかいない魚たちと直接勝負ができる。
でもその一方で、戻る力を持っていなければ、“ただの無謀”になることがある。
そう痛感したのは、風速4mの午後、潮が満ち始めたあのタイミングだった。
■ 行きはよいよい、帰りは…
その日は朝からベタ凪。
カヤックで約2km先のピンに到着し、潮が緩むタイミングを見計らってジギング開始。
すぐに40cm超のマダイがヒット。さらに1時間以内に2匹目。今日は当たりだ――そう思っていた。
風が吹き始めたのは、昼前。
最初は微風。でも徐々に、肌に感じる向かい風に変わっていく。
目の前の水面が、風でザワついている。
「ちょっと風出てきたな」
そう感じて、撤収を決めた。
パドルを握り、進行方向に向けて漕ぎ出す。
でも――
まったく進まない。
潮と風が真逆方向からカヤックを押していて、
パドリングで進むどころか、逆に流されている感覚。
腕がパンパンになっても、景色がまったく変わらない。
まるで、海の上に置き去りにされたようだった。
■ 「無理してでも買っておいてよかった」と、心の底から思った
そのとき、手元にあったのがBixpy Jetだった。
購入から数ヶ月。正直「高いな」と思ったし、「風が強い日に使えばいい」と軽く考えていた。
でも、あの時初めて――これは命綱だったと実感した。
ボタン一つ。
指先の操作だけで、風に逆らって確実に前に進める。
無理にパドルを握りしめてバランスを崩すこともない。
手はロッドを持ったまま。心拍数だけが、じわじわと落ち着いていく。
陸が近づくのを見ながら、
「ああ、Bixpyがなかったらどうなっていたんだろう」と、本気で思った。
■ 軽さ=安心感だった
Bixpyは、モーターなのにたった約2kgという軽さ。
パワーを求める人からすると、「そんな軽くて使えるの?」と思うかもしれない。
でも、SUPやカヤックのような超軽量艇にとって、2kgの推進力は“必要十分”どころか“余裕”がある。
風速4m、流れのあるエリアでも、しっかり前に進む。
しかも、取り付けも簡単。
カヤックのラダーに直結しているので、操作はまるで舵を切るような感覚。
よくある“安価な電動モーター”と違って、コードをぐるぐる巻いたり、大きなバッテリーを抱えたりする必要がない。
これがどれだけ釣りの集中力を保ってくれるか――使ってみればすぐに分かる。
■ 体力の消耗がゼロになる、という“贅沢”
カヤックやSUPでの沖釣りに慣れてくると、意外と「移動」が一番の負担になってくる。
特に夏場は、往復で体力の8割を使い切ってしまうこともある。
それで釣果が出なければ、「もう次はいいかな」とモチベーションも下がってしまう。
でも、Bixpyを使うようになってから、“釣りそのもの”に集中できるようになった。
朝イチからピンスポットを素早く回れる。
潮が緩む一瞬を逃さず、タイラバやジグを落とせる。
魚を掛けた後でも、焦らずにポジショニングを取り直せる。
つまり、**「体力の配分が変わることで、釣果が変わる」**のだ。
■ あらゆる“地味なストレス”が消えていく
・風に流されてポイントを外れてしまう
・釣れているのにカヤックが回ってしまう
・魚をネットインする瞬間に艇がズレる
・帰りのことを考えて、早上がりを余儀なくされる
こんな釣り以外の部分で消耗するストレスが、Bixpyを導入してからは消えた。
“ただ釣りができる”という当たり前のようで難しい時間が、ちゃんと確保されるようになった。
これって、めちゃくちゃ大きいことだったんだと、後から気づいた。
■ 「風が強いから、今日はやめようかな」がなくなる
沖釣りにおいて、“風”は一番の敵。
これまでは、予報で風速3m以上だったら中止。
でも、Bixpyを使うようになってからは、風速5mくらいまでは「なんとかなる」と思えるようになった。
もちろん、無理は禁物。
でも、これだけ**“判断の自由度”が増える**と、釣行回数も自然に増えていく。
出る回数が増えれば、経験値も上がる。
経験値が上がれば、釣果も上がる。
つまり、**釣りがうまくなる“加速装置”**として、Bixpyは機能している。
■ “安心感”があると、もっと遠くまで行けるようになる
カヤックに乗っていて、いつも思う。
「この先の岬の裏が気になるな」
「でも、帰ってこれなかったら…」
そんな“気になるけど行けない場所”が、Bixpyを使えばスッと近づける。
もちろん、慎重さは必要。
でも、「自力で帰れる」という安心感があるだけで、探索の幅が広がる。
自分だけのポイントを見つけるチャンスが増える。
釣りの面白さが、倍になる。
■ 最後に:釣り道具じゃなく、“海の免許”のような存在
Bixpy Jetは、モーターであり、道具であり――
でも、自分にとっては「海の中に出るための免許証」みたいな存在です。
あの時、潮に流されながら本当に思いました。
**「無理してでも買っておいて良かった」**と。
釣果を上げるためでもある。
でも、釣りを安全に、長く続けるために、必要な装備だったのです。
沖に出る人ほど、知っておいてほしい。
Bixpyが、ただのオプション装備ではないということを。