エレキモーターとBixpy Jetの違い|カヤックフィッシングに最適なのはどっち?
「カヤックに電動モーターをつけたい」
そう思って調べ始めると、まず目に入るのが従来型のエレキモーター(トローリングモーター)だろう。バス釣りの世界ではおなじみの存在で、価格も手頃なモデルが多い。
一方で最近、カヤックフィッシング界隈で急速に名前を聞くようになったのがBixpy Jetだ。
どちらも「電動でカヤックを動かす」という点では同じ。しかし、設計思想がまったく違う。この記事では、カヤックフィッシングという目的に絞って、両者の違いを正直に比較する。
そもそもの設計思想が違う
まず押さえておきたいのは、従来型エレキモーターはもともとバスボートやゴムボート用に作られた製品だということ。シャフトが長く、トランサム(船尾の板)にクランプで固定する構造になっている。バス釣りのレンタルボートでは最適な設計だが、カヤックに流用するには工夫が必要になる。
対してBixpy Jetは、最初からカヤックやSUPなどの小型艇専用に設計されたモーターだ。カヤックの構造に合わせた20種類以上の専用アダプターが用意されており、「流用」ではなく「専用設計」という点で根本的にアプローチが異なる。
重量:ここが最大の分かれ道
カヤックフィッシングでは、積載できる重量に明確な限界がある。釣り道具、クーラーボックス、飲み物、安全装備。それだけで相当な重さだ。ここにモーターとバッテリーの重量が加わる。
一般的なエレキモーター(40lb〜55lbクラス)の場合: モーター本体だけで約5〜9kg。さらに12Vバッテリー(鉛)を積むと20kg超。リチウムイオンに替えても6〜11kg。合計でモーター+バッテリーで最低でも約10〜20kgになる。
Bixpy K-1モーターの場合: モーター本体は約1.3kg。PP-378バッテリーとの組み合わせで合計約5kg程度。PP-768大容量バッテリーでも総重量は約7kg台に収まる。
この差は、カヤックの安定性に直結する。片側にエレキモーターとバッテリーを積めば、重心が偏る。海上でのバランス崩れは、最悪の場合、転覆につながりかねない。
取り付け:毎回の手間か、ワンタッチか
従来型エレキモーターをカヤックに装着するには、まずマウントブラケットの設置が必要だ。カヤックの種類によっては自作や改造を伴うこともある。シャフトの長さ調整、バッテリーとの配線——カヤックフィッシングの朝は早い。出艇前のセッティングに時間を取られるのは、正直つらい。
Bixpy Jetは、各カヤックメーカー対応の専用アダプターを使えば、ほぼ工具なしで取り付けが完了する。外すのも一瞬だ。「行きはモーター、帰りもモーター、間は外してパドリング」というような柔軟な使い方もできる。
安全性:インペラーとプロペラの差
従来型エレキモーターは、むき出しのプロペラが回転する構造だ。水草やロープの巻き込み、万が一の接触事故のリスクがある。海藻が多いポイントでは、プロペラに絡まって動力を失うトラブルも珍しくない。
Bixpy Jetは、プロペラではなくシュラウド(覆い)に囲まれたインペラー方式を採用している。水草の巻き込みリスクが低く、指が触れても怪我をしにくい設計だ。ペットや子どもと水辺で過ごす場面でも安心感がある。
さらに、Bixpyのバッテリーには磁気キルスイッチが搭載されている。万が一、水上でリモコンを落としたり電池切れになっても、キルスイッチの操作で50%の推力で再始動でき、安全に帰港することが可能だ。
給電機能:モーターだけじゃ終わらない
ここが、カヤックフィッシングにおけるBixpy最大のアドバンテージかもしれない。
従来型エレキモーターのバッテリーは、基本的にモーター専用だ。魚群探知機やスマホの充電には、別途バッテリーを用意する必要がある。積載重量がさらに増える。
Bixpyのアウトボードバッテリーは、5Vと12Vの補助出力ポートを備えている。 つまり、モーターの電源と魚群探知機・スマホ充電を一台のバッテリーで賄える。荷物が減り、配線もシンプルになり、カヤックのデッキ上がすっきりする。
限られたスペースで戦うカヤックアングラーにとって、これは地味だが極めて大きな差だ。
正直に言えば、エレキモーターが勝る点もある
公平を期すために言えば、従来型エレキモーターにもメリットはある。
価格——エントリーモデルなら本体1万円台からある。Bixpy K-1モーターは約14万円台からなので、初期投資の差は大きい。
推力——55lbクラスのエレキは、純粋な推力ではBixpyを上回る。強い流れの中で踏ん張る力が必要な場面では、大型エレキに軍配が上がるケースもある。
ただし、カヤックの場合は「推力が強い=速い」とは単純にならない。重いモーターとバッテリーを積むことで船体が沈み、水の抵抗が増えるからだ。実用速度で見ると、軽量なBixpyとの差は想像ほど大きくない。
結論:「カヤック専用か、流用か」で選ぶ
もしあなたがバスボートやゴムボートにも使える汎用性を求めるなら、従来型エレキモーターは合理的な選択だ。
しかし、「カヤックフィッシングのための電動化」が目的なら、Bixpy Jetの方が理にかなっている。
軽さ。取り付けの手軽さ。安全設計。魚探への給電。そして何より、カヤックという繊細な乗り物のバランスを崩さないこと。
カヤックは、ボートとは違う。だからモーターも、カヤックのために作られたものを選ぶべきだ。
Bixpy K-1モーターの詳細スペック、あなたのカヤックに合うアダプターの確認はBixpy Japan公式サイトから。ご不明点はお気軽にお問い合わせください。


